かめたんのマンション管理Memo

管理費等の滞納に関する遅延損害金等の免除

管理費等の滞納に関する遅延損害金等の免除

こんにちは。管理人のかめたん( @kametan0123 )です。
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マンションの維持管理・運営をしていく上で重要なのが、管理費と修繕積立金などの管理費等の運営資金です。
マンションを購入した区分所有者が管理組合に支払うことになります。

その管理費等を滞納したら遅延損害金が発生(管理規約による)しますね。

しかし、長期に滞納した場合、免除を申し出ることはできるのでしょうか?


遅延損害金を払わないといけないのか?

標準管理規約第60条2項に「組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる。」とあり、一定の金利を加算し請求ができると条文化されています。

請求が「できる」とは?

「請求ができる」とは、請求しなくてもいいし、請求しても良い。と言うことだが、「○○さんは請求する」「××さんは請求しない」というのでは、不公平になりますね。

そこで、標準管理規約第67条3項で理事会の決議により請求するか否かを決します。ここでの決議は、個別に決議をするのではなく不公平をなくすために組合員全員に対して行うことになります。

ここで、請求する旨が決まれば、一定の年利(年利については、規約制定当初に決められていると思います。)を加算して請求できることになります。

遅延損害金を払いたくない?

なかには、「振込をうっかり忘れたから遅延損害金を支払いたくない」と言う人も現れるでしょう。
しかし、うっかり忘れでも、遅延は遅延です。
が、1日2日分を計算して払ってもらうというのもひどい話(?)ですし、計算する手間を考えれば免除してもいいのでは?と考えたりもします。

しかし、これを理事会や理事長が勝手に「免除する」と、決められないのです(後程説明します)。
したがって、運営規則をある程度決めておく必要がありますね。
運営細則(普通決議)とするのか、規約で条文化(特別決議)が必要になります。

個人的には、管理物件にもよりますが、27日に所定の口座より自動振替になっており、その後管理組合の口座へ入金されるのは、数日後になります。
したがって、月末までは、うっかり漏れをゆるし、翌月になってしまった方には、遅延損害金を加算するなど検討するのも、良いのではないかと思います。

理由として、口座に残高が不足(他方からの振替などで)してしまっても、振替日の翌日に確認すれば、振替えられたのかどうかを確認することができ、また、そこで管理費等が振替えられなかった事実をすることにより、うっかり漏れの事実も正当化(?)することもできるからです。

もちろん、その際は、今後同様のことの内容文書等を差し入れてもらうなどしても良いかもしれませんね。

遅延損害金を免除できるか?

管理組合がどの組合に該当するかよって異なりますが、通常の場合では、理事会の判断だけでは免除することはできません。
では、どのような組合があるのでしょう。

①任意組合
(民法上の)任意組合とは、各当事者が出資をなして共同の事業を営むことを約する合意によって成立する団体のこと。ただし、法人ではないことから、団体としての権利義務はなく、組合員それぞれが権利義務を負う。
組合員全員が出資することを要し、組合の債務には全組合員が直接無限連帯責任を負う。

このような任意組合の場合は、区分所有者全員の承諾が必要になります。

②人格なき社団
人格なき社団とは、次の条件を満たした団体を言います。
1.共同の目的のために結集した人的結合体であって
2.団体としての組織を備え
3.そこには多数決の原理が行われ
4.構成員の変更にもかかわらず、団体そのものが存続し
5.その組織によって、代表の方法、組合の運営、財産の管理その他団体として主要な点が確定しているもの

標準管理規約で、上記の内容が示されていますので、通常は「人格なき社団」に該当するでしょう。
この場合は、。管理組合の最高意思決定は総会で、管理費等滞納金の債権放棄を提案し承認を受けると、その未収金を損金として計上することが可能となります。

まとめ

遅延損害金等をめぐる対応は、そのほとんどが、競売や任意売却により免除の交渉となります。
個人的には、購入者は管理費等以外の債権を知っていながら購入するわけですから、減額や免除の必要はないと考えます。
ただし、現区分所有者が売却を前提に減額や免除について交渉されているのであれば、共同の利益に反する行為者を排除する意味で、停止条件(期限)付きの減額や免除を検討するのも良いのかもしれません。

ではまた。。。



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