【問題】
マンションの耐震診断及び耐震改修に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1 耐震診断の結果として得られる当該建築物のIs値については、その値が小さいほど耐震性が低いとされる。
2 建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく建築基準法の特例措置を受けるためには、耐震改修計画についての認定を受ける必要がある。
3 耐震改修工事を行う場合には、必ず建築確認申請をしなければならない。
4 既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準では、診断内容の違いにより1次診断から3次診断までがある。
【管理業務主任者試験 平成20年第28問】
【解答】
1 適切
耐震診断の結果として得られる当該建築物のIs値については、その値が小さいほど耐震性が低いとされる。
日本耐震診断協会によると・・・。
is値とは構造耐震指標のことをいい、地震力に対する建物の強度、靱性(じんせい:変形能力、粘り強さ)を考慮し、建築物の階ごとに算出します。「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」の告示(旧建設省告示 平成7年12月25日 第2089号)により、震度6~7程度の規模の地震に対するis値の評価については以下の様に定められています(耐震診断の基準(is値))。
is値が0.6以上 | 倒壊、又は崩壊する危険性が低い |
is値が0.3以上 0.6未満 | 倒壊、又は崩壊する危険性がある |
is値が0.3未満 | 倒壊、又は崩壊する危険性が高い |
2 適切
建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく建築基準法の特例措置を受けるためには、耐震改修計画についての認定を受ける必要がある。
本肢の通り(建築物の耐震改修の促進に関する法律第17条)
3 最も不適切
耐震改修工事を行う場合には、必ず建築確認申請をしなければならない 耐震計画の認定をもって、検査済書の交付があったとみなされる。
4 適切
既存鉄筋コンクリート造建築物の耐震診断基準では、診断内容の違いにより1次診断から3次診断までがある。
診断内容について日本耐震診断協会によると・・・。
第一次診断 | ・壁の多い建築物が対象(壁式RC造など) ・柱・壁の断面積から構造耐震指標を評価 ・計算の難易度 : 簡易 |
第二次診断 | ・主に柱・壁の破壊で耐震性能が決まる建築物 ・柱・壁の断面積に加え、鉄筋の影響も考慮し、構造耐震性能を評価 ・計算の難易度 : 高い |
第三次診断 | ・主に梁の破壊や壁の回転で耐震性が決まる建築物 ・柱・壁(断面積・鉄筋)に加えて、梁の影響も考慮し、建物の保有水平耐力を求める診断法 ・計算の難易度 : 非常に高い |
したがって、解答(最も不適切)は2です。