【問題】
建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号。以下同じ。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 床面積の合計が1,000㎡以上の共同住宅は、すべて特定建築物に含まれる。
2 所管行政庁は、特定建築物の耐震診断及び耐震改修について必要な指導及び助言ができる。
3 耐震改修を行おうとした者が、耐震改修の計画の認定を申請できるのは、特定建築物に限られる。
4 所管行政庁が、耐震改修の計画の認定をした場合でも、建築基準法に基づく建築確認を受ける必要がある。
【管理業務主任者試験 平成20年第22問】
【解答】
1 誤っている
「特殊建築物」とは、「学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、老人ホームその他多数の者が利用する建築物で政令で定めるものであって政令で定める規模以上のもの」(耐震改修法6条1号)。
政令で定める建築物とは、「学校(幼稚園及び小学校等を除く。)、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所又は前項第一号から第七号まで若しくは第十号から第十八号までに掲げる建築物 階数が三で、かつ、床面積の合計が1,000平方メートルのもの」(耐震改修法施行令2条2項3号)をいう。
上記の1号から18号とは
法第六条第一号 の政令で定める建築物は、次に掲げるものとする。
一 ボーリング場、スケート場、水泳場その他これらに類する運動施設
二 診療所
三 映画館又は演芸場
四 公会堂
五 卸売市場又はマーケットその他の物品販売業を営む店舗
六 ホテル又は旅館
七 賃貸住宅(共同住宅に限る。)、寄宿舎又は下宿
八 老人短期入所施設、保育所、福祉ホームその他これらに類するもの
九 老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの
十 博物館、美術館又は図書館
十一 遊技場
十二 公衆浴場
十三 飲食店、キャバレー、料理店、ナイトクラブ、ダンスホールその他これらに類するもの
十四 理髪店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗
十五 工場
十六 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供するもの
十七 自動車車庫その他の自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設
十八 保健所、税務署その他これらに類する公益上必要な建築物
賃貸住宅(共同住宅に画技る)は含まれるが分譲マンションは含まれない。
したがって、床面積の合計が1,000㎡以上の共同住宅は、すべてが特殊建築物に含まれるとは限らない(共同住宅とは、賃貸マンションや分譲マンションなどのことをいうから)。
2 正しい
所管行政庁は、特定建築物の耐震診断及び耐震改修の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、特定建築物の所有者に対し、基本方針のうち第四条第二項第三号の技術上の指針となるべき事項を勘案して、特定建築物の耐震診断及び耐震改修について必要な指導及び助言をすることができる(耐震改修法第7条1項)。
3 誤っている
建築物の耐震改修をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、建築物の耐震改修の計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる(耐震改修法第8条1項)。
したがって、耐震改修の計画の認定を申請できるのは、特定建築物に限られない。
4 誤っている
所管行政庁が、耐震改修の計画の認定をした場合でも、建築基準法に基づく建築確認を受ける必要がある 必要はない。
したがって、解答(正しい)は2です。