【問題】
マンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。以下同じ。)が行う重要事項の説明に関する次の記述のうち、マンション管理適正化法に違反するものはどれか。
1 新たに建設されたマンションについて、当該建設工事の完了の日から8月で契約期間が満了する管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結しようとするときに、あらかじめ、重要事項について説明をしなかった。
2 従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとする場合において、当該管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項を記載した書面を交付して説明したが、管理者等以外のマンションの区分所有者等に対しては、重要事項を記載した書面を交付しなかった。
3 重要事項を記載した書面を作成するときに、その事務所ごとに置かれる専任の管理業務主任者でない管理業務主任者をして、当該書面に記名押印させた。
4 説明会の開催日の10日前に、管理受託契約を締結しようとする管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付した。
【管理業務主任者試験 平成20年第49問】
【解答】
1 違反しない
新たに建設されたマンションについて、当該建設工事の完了の日から8月で契約期間が満了する管理事務の委託を受けることを内容とする契約を締結しようとするときに、あらかじめ、重要事項について説明をしなかった。
新築マンションの場合、当該建設工事の完了の日から1年を経過する日までの間に契約期間が満了するものは、重要事項の説明をする義務がない。
(マンション管理適正化法第72条)
2 違反する
従前の管理受託契約と同一の条件で管理組合との管理受託契約を更新しようとする場合において、当該管理組合の管理者等に対し、管理業務主任者をして、重要事項を記載した書面を交付して説明したが、管理者等以外のマンションの区分所有者等に対しては、重要事項を記載した書面を交付しなかった → 交付した。
(マンション管理適正化法第72条3項)
3 違反しない
重要事項を記載した書面を作成するときに、その事務所ごとに置かれる専任の管理業務主任者でない管理業務主任者をして、当該書面に記名押印させた。
重要事項の書面及び契約の成立時の書面への記名押印は専任の管理業務主任者である必要が無い。
(マンション管理適正化法第72条4項、73条)
4 違反しない
説明会の開催日の10日前に、管理受託契約を締結しようとする管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付した。
マンション管理業者は、当該説明会の日の一週間前までに、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等及び当該管理組合の管理者等の全員に対し、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければならない。
(マンション管理適正化法第72条1項後段)
したがって、解答(違反する)は2です。
新築マンションの場合、当該マンション工事の完了の日から1年を経過する日までの間であれば、重要事項説明義務がない。
管理受託契約が従前と同一条件または管理組合に有利な条件で更新しようとする場合、予め区分所有者等全員に重要事項を記した書面を交付しなければならない。なお、管理者が設置されている場合は、当該管理者に対して、管理業務主任者をして、重要事項説明書を交付して説明をしなければならない。